ラベンダーは、やさしい香りと涼やかな花姿が魅力のハーブですが、実は「放っておくと弱りやすい植物」でもあります。特に株が大きくなってきた頃に重要になるのが強剪定です。ラベンダーは年月とともに株元が木のように固くなる「木質化」が進みやすく、剪定を怠ると下葉が減って蒸れやすくなり、姿も乱れ、花つきまで悪くなっていきます。だからこそ、毎年の管理の中でしっかり切り戻し、若い枝の成長を促すことが、美しい株を保つ近道なのです。

強剪定のいちばんのメリットは、株の老化を防ぎ、こんもりとした形を維持しやすくなることです。ラベンダーは風通しのよい環境を好むため、枝が込み合うと高温多湿の時期に傷みやすくなります。実際に、湿気や風通しの悪さはラベンダーの寿命を縮める要因とされており、適切な剪定は見た目を整えるだけでなく、病気や蒸れの予防にもつながります。剪定によって内部まで光と風が入るようになると、株全体が健やかに育ちやすくなります。

こんもり成長したグロッソ。風通しは悪そう。
また、強剪定は翌年の花つきを良くするうえでも大切です。花後に軽く整えるだけでなく、秋から早春にかけて株を見直し、伸びすぎた部分を整理しておくことで、新しい芽に養分が回りやすくなります。すると春以降の枝数が増え、結果として花穂も充実しやすくなります。ラベンダーは「少し切るのがかわいそう」と感じて手を入れないよりも、適期にきちんと整えたほうが、長い目で見ると元気で華やかな株になりやすい植物です。

強剪定後の5月のラベンダー
ただし注意したいのは、どこまでも深く切ればよいわけではないこと。茶色く木質化した古い部分まで切り込みすぎると、新芽が出にくくなって枯れ込むことがあります。基本は、まだ緑の葉や芽が残る位置を意識して切り戻すこと。さらに寒い時期や霜の直前、秋遅くの強い切り戻しは株に負担をかけるため、地域の気候や品種に合わせて時期を見極めることも大切です。ラベンダーを長く楽しみたいなら、強剪定は“思い切って切る作業”ではなく、“次の一年を元気に育てるための更新作業”と考えるとよいでしょう。

2月に強剪定したラベンダー。新芽を残して剪定すると良いです。
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