ハーブの挿し木をやってみよう。

育てたハーブを増やしたい、株の更新のため子株を作りたい。そのような時は、茎の一部分を切り取り、そこから根を出させ新たな個体を作ることが可能です。

株を増やしたいときや枯れてしまう場合のリスク回避としての保険として挿し木(挿し芽)をやっておくと安心です。

年月が経ち、木質化が進み葉が少なくなったローズマリー

挿し木をしやすい時期。

春は4~5月。発根に適した温度は25℃くらいと言われています。これより寒くても暑くても発根率は低下します。

挿し木をするとなぜ根が出るの?

枝や葉を切り取った部分から根が出るのは植物の生理学的な特性です。植物は生存するために根を伸ばし、水と栄養を吸収する必要があります。挿し木では切り取った部位に生理活性が高まりそこから新たな根が生じるのです。

発根した挿し穂

挿し木をやってみる。

1.挿し穂を切り取る。

挿し木で増やしたいハーブを10㎝程度カットします。ローズマリーやラベンダーをはじめとするハーブはこの方法で株を増やすことができます。

2.下半分の葉を除去する。

葉が土と接触しないように下葉は取ります。また、葉からの蒸散を抑えるため葉を少なくします。

3.斜めにカットします。

土に挿す方は斜めにカットし、給水面積を広くします。

下半分程度の葉を取り、斜めにカットしました。

4.1時間程度給水させる。

穂先を水揚げさせます。茎に空気が入らないようにするためと水をしっかり吸わせることが目的です。私の場合、挿し穂を採取してすぐに挿してしまうので行わないこともあります。また、発根剤は使用していません。

穂先から給水させる。

5.土に挿す。

土はどんな土でも良いわけではなく、養分のない清潔な土を用います。赤玉土の小粒や鹿沼土バーミキュライトなどの清潔な用土を使用します。他には挿し芽の土という用土も販売されています。

鹿沼土に挿したローズマリー。セルトレイを使用しました。

6.管理

用土を乾燥させないように管理していきます。気温にもよりますが土の乾燥具合を見ながら1日1~2回水やりを行います。

挿し木の置き場所は直射日光が当たる場所は避けます。

途中で引っ張ったりして発根を確認したい気持ちを抑えましょう。

ローズマリーは2週間くらい経つと発根し始めます。挿し床のしたから発根を確認するのも良いです。優しく引いて抵抗を確認します。

 

さいごに

ハーブの種類によっては発根に時間を要するものや挿し木ができないものもあります。

ミントやラベンダー、レモンバーム、セージなどポピュラーなものは挿し木で増やすことができます。エキナセアは挿し木はできません。

挿し木は100%発根するわけではなく、何らかの要因で挿し穂が腐敗したり、発根しない場合もあります。